君が誰よりも好きだから
放課後になって1度家に帰ってすぐ公園に行った。


冬貴はもうついていた。


冬貴と私は行きと帰りは別々に行っているその分放課後や休日にデートに行っていた。


「冬貴ごめん待たせた？」


「全然大丈夫。それより急にどうしたのデートは今週の土曜だしいつもなららメッセージくれるじゃん」


「うんあのね」


すーっと息を吸って話し始める


心臓の音がうるさいし手が震えるのも嫌だし全部無視しながら話すことに集中する。


「昨日の放課後女の子達に囲まれながら歩いてた？」



そう言うと冬貴は一瞬目を見開いたあとすぐ真顔に戻った。


「別に怒ってはないんだけど私何かしたかなって」



梅雨にしては珍しい晴れ。公園のベンチに座りながら話す。


「ごめん。あの光景をみて佳奈なんて思った？」


なぜそんなことを聞くのだろうか。


「私何かしたかなとか心配だった。」



「そっか、」


なんで冬貴がそんな悲しそうな顔をするの？


「ねぇ佳奈」


やめてやだ嫌だ浮気されても冬貴が好きなのにねぇいやだ


言わないでその先は


「別れよう」







―――冬貴の顔は今まで見たきたどの笑顔よりも悲しそうに笑っていた。



でもそっかもっと嫌われるかもしれない。


冬貴が幸せになるなら私は大人しく別れよう。



冬貴が大好きだから。


「うんそうだね。」



そう言い残して私は家に戻った。


部屋に入った途端堪えきれなくなった涙がこぼれてきた。


子供のようにずっと泣いた。


でもいいんだ。私が諦めたら丸く収まる。


悲しいし寂しいし。
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