衣織くんは看病したい


大好きな夢原の直筆。


俺の瞳に映したくて、ノートを開く。



丸っこい、女の子っぽい文字。


文字までキュートすぎって

どれだけ俺を惑わせば気が済むわけ?



夢原のノートをコピーして

俺の部屋に飾っておきたいなぁ。


……って。


無断コピーは、さすがにヤバいでしょ?



抱えきれないほど膨れ上がる、夢原への恋心。



そろそろ吐き出さないと、かなり危険。


ドキドキの許容量オーバーで

ハートがはちきれちゃいそうだから。




夢原のノートの最後のページを開き

俺はシャーペンを走らせてみた。




『好き』




気づかれないくらい

小さな文字になっちゃったのは


俺が恋にヘタレ過ぎだから。



< 3 / 8 >

この作品をシェア

pagetop