衣織くんは看病したい
大好きな夢原の直筆。
俺の瞳に映したくて、ノートを開く。
丸っこい、女の子っぽい文字。
文字までキュートすぎって
どれだけ俺を惑わせば気が済むわけ?
夢原のノートをコピーして
俺の部屋に飾っておきたいなぁ。
……って。
無断コピーは、さすがにヤバいでしょ?
抱えきれないほど膨れ上がる、夢原への恋心。
そろそろ吐き出さないと、かなり危険。
ドキドキの許容量オーバーで
ハートがはちきれちゃいそうだから。
夢原のノートの最後のページを開き
俺はシャーペンを走らせてみた。
『好き』
気づかれないくらい
小さな文字になっちゃったのは
俺が恋にヘタレ過ぎだから。