【短編版】誕生日に捨てられた記憶喪失の伯爵令嬢は、辺境を守る騎士に拾われて最高の幸せを手に入れる

第3話 フルーリー伯爵家SIDE

「どういうことですか、父上!!」
「そういうこともない、捨てた」
「あの辺境の地に女の子一人捨てるなんてどうかしてます!!」
「うるさいっ! お前は黙ってわしの言うことを聞けばいいんだ!」
「……」

 リーズの兄であるブレスはあまりにも横暴に自分の妹を捨てた父に抗議していた。
 しかし、所詮ただの伯爵令息にすぎないブレスはこの家の決定を覆すことなどできはしなかった。

「私がリーズを探しに行きます!」
「勝手にしろ」

 そう言ってブレスは辺境の地へと馬車を走らせていた。
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