保健室の死神くん
笑われてしまった。
そりゃあわたしだって、半信半疑っていうか。
いまいち信じられない。
でも、みんな言ってるし。
「会ってみたい?」
「いえ……あんまり」
「仲良くなったら、きみのお願い叶えてくれるかもよ」
死神と仲良く……?
「なりませんよ!?」
「消したいヤツとかいないの」
恐ろしいこと言いますね!
「先輩は聞いたことないですか? そういうウワサ」
「ないね」
「そう……ですか」
おかしいな。
もしかして、騙された……?
これまで何度も周りの子たちがグルになって、わたしにウソついてたの?
そうなの!?
「ああ、そうだ。養護教諭なら今の時間は職員室だよ」
「へ?」
「ほら」
細長い指でさされた札には
【職員室にいます】の表記。
見てなかったあ……!
「ごめんなさい行ってきます!」
「テスト期間中」
「へ」
「職員室への生徒の出入りは原則禁止」
「あ……! そうでした!」