しみ
何度繰り返し考えても、バカなのはわたしだ。別れたくないなら別れたくないと言ってしまえばよかった。みっともなく泣いて、わがままを言えばよかったのだ、全部ほしいと。いつかまた、彼の隣に戻ってきたいと。隣りをあけておいてほしいと。ずるいけど待っていてほしい。そういえば笑ってくれる人だと知っていたのに。
彼の寝顔を見ながら、また涙があふれてくる。
太陽もだんだん高くのぼりはじめ、カーテンの隙間から漏れる光が彼の顔に当たる。
彼が動く気配がして、わたしはまたそっと目をとじた。