屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「ただの先輩だよ。中高って一緒なだけの、ムカつくセンパイってだけ」



「中学校も一緒だったんだ…」



それはびっくりかも。



思いもしなかった事実に驚くと、「誤解しないでよ」って廿楽くんは話し続ける。



「僕が追いかけてきたとか、決してそんなんじゃないから。たまたま一緒だったってことね。…知ってたら絶対来なかったのに」



またもやため息をつきそうな廿楽くんに、苦笑いで返す。



「そ、そんなに嫌いなの…?明楽先輩のこと…」



明らかに明楽先輩を毛嫌いしているように見えるのは、気のせいじゃないはず。



なにか廿楽くんをそうさせる出来事があったのだろうか。
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