屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「っ…わ、わざと言ってるでしょ」



「さあ、なんのことやら」



知らんぷりしても無駄だからね?



顔に書いてあるもん。



「わざとです」って。



でも、そうするしか他に方法はないわけで。



「…どれがいいですか」



「んー…これがいい」



仕方なく廿楽くんの提案に乗るしかないのです。



「えと…口、開けてください」



「さっきからなんで敬語?」



「なんとなくです」



「ふーん」



うぅ…これはこれで恥ずかしい。



恋人たちがよくやる「あーん」は、私には程遠いものだと思ってたけど…。
< 145 / 343 >

この作品をシェア

pagetop