屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「んじゃ、キッチンカーがいなくなっちゃう前に行こっか」



「え、ちょっと明楽先ぱ……」



急に真面目になったと思ったら、またこうやってなかったことみたいにして。



この人はどこまで私をからかったら気が済むんだろう。



って……!



「明楽先輩、なに手繋いでるんですか…!?」



「なにって…デートだったら手繋ぐのは当たり前でしょ?」



「デートじゃありませんっ…!」



振りほどきたいのに、明楽先輩の力が強くて全然敵わない。



ブンブン振っても、全く効果なし。



「それじゃあレッツゴー☆」



「もうっ!明楽先輩…!!」



目的地もわからぬまま、明楽先輩に連れられて裏門を後にした。
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