屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「うそ、降ってきちゃった!?」



空を見れば、さっきとは比べ物にならないくらい真っ黒になっている。



「心優ちゃん、俺に着いてきて!」



「え!?あ、はい…!」



差し伸べられた手を思わず取ると、ぎゅっと繋がれたままどこかに向かって走り出した。



「っ…はぁ〜焦った。心優ちゃん大丈夫?」



「っはぁ…はぁ…だ、いじょぶです……」



「走らせちゃってごめんね」



先輩に連れてこられたのは、大きな一軒家の屋根の下。



キッチンカーがあった場所からそう遠くはなさそう。



周りも同じような大きい家ばかりが建ち並んでいる。



「…明楽先輩、ここは……?」



誰かの家…なんだろうけど、これ普通に不法侵入だよね?
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