屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
それよりなにより、寒すぎてくしゃみまで出てきてしまった。
ワイシャツは雨で濡れて肌にピタッとくっついてて気持ち悪いし、スカートもビショビショ。
もうすぐ夏だと言うのに、風もだんだんと冷たくなってきた。
「ごめん心優ちゃん、結構濡れたから寒いよね。早く家入って、温まろう」
「は…いや!い、いいですよ…!!私、このまま帰るんで…」
先輩の言葉に頷きそうになり慌ててお断りする。
さすがに仲良くなって間もない先輩の家に入っていけるほど、図太い神経は持ち合わせていない。
「じゃあ、今日はありがとうございま……」
「待って」
お礼だけ言って立ち去ろうとしたのに、明楽先輩に腕を掴まれてしまった。