屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
思っていた斜め上の対応に驚いた私は、手をぶんぶん振って精一杯「大丈夫です」アピールをする。
「いいのいいの、遠慮しないで」
「遠慮とかではなくてですね…」
ただ単に、人の家でシャワーを浴びることに抵抗があるだけなんだけど…。
厚意で言ってくれているから、なおのこと言いにくい。
「だってそのままいたら風邪ひいちゃうじゃん。もし俺のせいで心優ちゃんが辛い思いをすることになったら、悲しすぎて死んじゃう」
「そんな大袈裟な……」
「…俺の我儘だと思って、聞いてくれない?」
う……先輩ズルすぎる。
そんな悲しそうな目で見られたら、断れないじゃないですか。
「…わかりました。お気遣いありがとうございます」
「ありがとう」