屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
Secret3

廿楽くんの背中


「行ってきます……」



一睡もできなかった。



昨日、明楽先輩の家から逃げるように家に帰ってきた。



雨の中を傘もないくせに、ひたすら走って。



先輩がお風呂を貸してくれた意味もなくなった挙句、今日は体がとてもだるい。



家に帰ってからすぐにお風呂に入り温まったけど、効果はなかったのだろう。



頭はガンガンするし、体はフラフラする。



「はぁ……」



なんか、私の人間関係複雑すぎない…?



ようやく明楽先輩の軽い発言にも慣れてきたと思ったらこれだ。



廿楽くんとも気まずいままだし…。



今日は金曜日だから、とりあえず学校に行けば明日は休み。



頭が良くない私にとって主席日数は命綱も同然。



休むわけにはいかないのです。
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