屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
独特な薬品の匂いが鼻を突く。
保健室……かな。
ベッドの上にいて、周りがカーテンで囲まれているからきっとそうだ。
「…私、倒れちゃったのか」
未だに頭痛は酷いし、体は熱で汗ばんでいる。
今すぐシャワーを浴びたいけど、もう少しの辛抱かな。
ずっとこのままでいたいけど、そういうわけにもいかない。
私にはまだ、家まで帰るという試練が待っている。
体を起こそうとしたとき、足音が近づいてくるのがわかった。
……もしかして若菜?
私の記憶だと、若菜が私の元に駆け寄って来たのを覚えてる。
廿楽くんの声も聞こえたような…ないような。
どちらにせよ、廿楽くんがここにいるはずないよね。
廿楽くん細いし、私を運べるとは思えないし。
…でも、もしかしたら…なんて、ほんの少しだけ期待していたけど。