屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
「え……?」
ボソリと呟いたあと、明楽先輩は頭を下げた。
「本当にごめん。怖い思いさせて、傘も持たせずに雨の中帰らせて…心優ちゃんが熱を出してることも知らなかった。カッコ悪い以前に、人として最悪」
「それは私が…」
そもそも天気予報を見ていれば、こんなことにはならなかったんだから、私のせいに決まってる。
先輩が悪いなんてありえないのに。
「…心優ちゃんは優しいね」
明楽先輩は眉を下げて笑う。
昨日私を押し倒した明楽先輩じゃないみたいに、その瞳は優しく私を真っ直ぐに見つめていて。
「そういうところが好きなんだ」
飾らないストレートな言葉が、明楽先輩の口から零れ落ちた。
「っ…う、うそ…」