屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「っ、そんなの聞いてません…」



私が思っていた以上に、明楽先輩は軽くないのかもしれない。



「そういう意味がこもってたってこと」



…そんなの、わかるわけないじゃないですか。



「…だから、昨日のは前言撤回。廿楽くんの秘密を使って心優ちゃんを自分のものにしようとか、もうしないよ」



…廿楽くんの秘密。



ないとは言わないってことは……あるんだろうな。



明楽先輩がいたのが予想外すぎて、少しはっきりしていた意識も、また危うくなってきた。



先輩が言っていることも、あまり深く考えられない。



「心優ちゃんが誰を好きであろうと、俺自身の力で振り向いてもらえるように頑張るから。…って言うのを伝えに来たんだけど、もう無理そうだね」



明楽先輩が何か言ってるけど、頭痛と眠気でよく聞こえないや。
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