屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
不満があるとするならば、毎日俺の周りで騒ぐ女子たちの雰囲気が張り詰めてきていたということ。
今日は私が響くんと…いや、今日はあなたじゃなくて私のはず。
そんな言い合いに挟まれることをストレスに感じていた俺は、何を思ってか屋上へと向っていた。
どうせ開いていないだろうと思ったのに、扉はいとも簡単に開いて。
そこにいたのは、今にも消えそうな美青年…もとい、廿楽茉尋くんだった。
誰もいないと思ってたから、初めて来た時は本当にびっくりしたよね。
フェンスに肘をついて、ぼーっとしてた。
いかにも廿楽くんらしいでしょ?
話しかけようかと思ったけど、あまりにも雰囲気があって話しかけられなくてさ。
最初は会話もせず、お互いを空気のように扱っていた。