屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

だけど、廿楽くんの名前は結構知れ渡っていた。



2年生にとんでもない美青年がいるって。



彼しかいないと思った俺は、その噂を聞いて直ぐに声をかけた。



『キミ、廿楽くんって言うんでしょ?あ、もしかして俺のことも知ってる?』



どんな奴か興味もあったし、仲良くなれるかもって少し期待してた節もある。



でも、俺の問いかけに数秒してから振り向いた廿楽くんは無表情で答えた。



『…知ってるわけないじゃん。自意識過剰なんじゃないの』



温度のない声。



本当に生きてる?ってくらい、顔に表情がない。



言葉もストレートで、オブラートというものをまるで知らないような言い方。



『あははっ、そーかもしれない』



一瞬で気に入ったよ。
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