屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

三角デート?


…さて、どうしようか。



熱も次の日には平熱まで下がり、休日はゆっくり過ごしたおかげか完全復活した。



そして今日は月曜日。



大きな紙袋を片手に、朝から3年生の教室の前で立ち尽くしていた。



「う、やっぱり怖い…」



なぜ3年生のフロアに私がいるのかというと、それは明楽先輩に用があったからである。



今手にしている紙袋に入っているのは、この前から借りっぱなしにしていた明楽先輩のパーカー。



熱を出したあの日、そのことをまるっきり忘れていたため返すタイミングったのが原因。



ちょっとまだ気まずいけど、返さないわけにはいかない。



先輩たちがいる教室は、私たち2年生より1個上の階にある。



滅多に行かないし、知り合いもほとんどいないからとても緊張してしまう。
< 228 / 343 >

この作品をシェア

pagetop