屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
「優しいね、ほんと。…そういうところが大好きなんだ」
先輩の言葉で、せき止めていたものが一気に崩れた。
「っぅ…ふ、ぅ…っ」
崩壊した涙腺から流れてくる涙が口に入ってしょっぱい。
「ダメでしょー心優ちゃん。俺が泣かせてるみたいじゃん?って、俺が泣かせてるのか」
座り込んだ私の背中をさする手が温かくて、優しくて…余計に涙を誘う。
あぁ…私は明日、天罰が下るかもしれない。
こんなに素敵な人を振ってしまった罪は、かなり大きいだろう。
ここまで想ってくれる人、そうそういないよ。
ゴンドラが頂上に達したとき、下を見る暇なんて全くなかった。
ただ俯いて泣くことしか出来ない私を、明楽先輩はずっと落ち着かせてくれていた。
***
「…大丈夫?」
「…はい」
もうそろそろ1周というところでなんとか泣き止むことができた私は、明楽先輩の優しさにまた頭を抱えそうになった。