屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

「心優ちゃん、なんか悩んでる?」



でも、それは鋭い明楽先輩の発言によって阻まれてしまった。



「っ…!!」



うそ…まさか見抜かれちゃうなんて…。



明楽先輩の洞察力が凄すぎて、言葉を失ってしまう。



「…心優ちゃんがよかったら、俺と一緒にサボんない?」



首をこてんと傾げる明楽先輩に、しどろもどろになる私。



「えぇっ…?いや、だって…」



サボったら先生に怒られるよね…?



それだけは絶対に避けたい。



断ろうと思っても中々言葉が出てこなくて、その隙に明楽先輩はどんどん誘惑してくる。



「体調不良とか言って休めば大丈夫だよ。それとも、校長先生のながーいお話聞きたい?」



「う……」



その聞き方は卑怯だ。



そんなの聞きたくないに決まってるというのの。



こ、こうなったら若菜に目を覚ましてもらおう…!



「って、若菜がいない…!?」
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