屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
赤い糸がほどけないように
ここ…で、合ってるの…?
目の前の景色と、明楽先輩に渡された地図を見比べて確認する。
第二の寝床って言われたけど……。
「どう見ても普通の公園では…?」
寝る場所なんてものは見当たらず、あるのは小さなベンチと大きめなドーム型の遊具だけ。
ドーム型の遊具の中には、人一人が入れそうな空洞があるように見えた。
本当にここに廿楽くんがいるのかな…?
この公園は、高校から歩いて15分程度の距離にある。
辺りにはアパートや一軒家などが立ち並んでいて、普通の住宅街だなぁという印象。
この時間帯は子供たちがいてもおかしくないはずなのに、人っ子一人いやしない。
「明楽先輩、間違えたんじゃ…?」
とりあえずドーム型の空洞を覗いてみようと思って、一応近づいてみることに。
恐る恐る近寄って、ゆっくりしゃがみ込んだ。