屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。

うそ、私そんなニヤけてたのかな…。



「…ぷっ、嘘だよ」



気を引き締めないと…と思っていたら、廿楽くんが可笑しそう私を見て笑った。



「ちゃんと可愛いーから、安心して?」



「っ…な!」



提灯の灯りに照らされた廿楽くんの笑顔が、キラキラ光る。



ずるいくらいにカッコよくて、今からかわれたことがどうでも良くなってしまった。



「次行こ、心優。今度はなに買う?」



「えっ〜と…い、いちご飴…!」



「じゃ、あっちだね。ゆっくりでいいから、少しずつ進も」



「…うん、ありがと」



下駄を履いている私にペースに合わせて歩いてくれる廿楽くんに、キュンとする。



こんな彼氏、他にいないよ…。



カッコよくて、優しくて…自慢の彼氏。



「…ふふっ。私って幸せ者だなぁ…」



って、ありゃ?声に出ちゃった。



なんかもう、幸せの絶好調にいるからふわふわする。
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