屋上で廿樂くんと、ヒミツのこと。
あわよくば side 茉尋
最近の僕はおかしい。
「音海さんナイスー!!」
「えっ!あっ……え…!?」
「ふっ…ゴール決めたのわかってないじゃん」
………まただ。
誰が聞いているわけでもないのに、独り言を漏らしてはひとりで笑っている。
今まではこんなことありえなかった。
そもそも日常に“面白いこと”というのがなかったと言うべきか。
特に意味もなく、ただ学校に来て屋上に行き家に帰るだけ。
社会人の職場と自宅を往復するような、つまらない日々。
だからと言って、自分から面白いものを見つけようとは思わなかった。