ハイスペ・栄枝社長は妻を囲いたい
それからは、正直覚えていない━━━━━

とにかく、妃波が欲しくて欲しくて堪らない。

あまりにも激しい愛撫に、思わず逃れるように身体をそらす妃波。
「あ…姉様…逃げないで…」
追いかけるように、妃波の背中に吸い付く。

「あっ…んぁ……ひじ、りぃ…」
「姉様…好き…大好き……」

夢中で妃波の身体を貪ったのだった。



「━━━━━━姉様…」
「ん…」

「…………ごめんなさい」
妃波に腕枕をして、抱き締め合っている二人。
妃波の額に、自身の額をくっつけ言った。

「え?」
「激しくなってしまいました……」
シュンとして、呟く聖守が可愛い。

「大丈夫だよ。
私……聖守になら、何をされても幸せ!」
妃波は、安心させるように微笑んだ。

「本当ですか……!?」

「うん!
………あ、でも!」
「ん?」

「離ればなれは嫌!
ずっと傍にいられること前提の話だよ?」

「━━━━━ったく…」
「え?聖守?」

「姉様には、敵いません(笑)」

「え?え?」

「そんなの……」
聖守が口唇を寄せる。

「聖━━━━━━ンンン……」
そして、奪った。

そしてまた、額と額をくっつけて言った。
「僕の方が、嫌です!
姉様と離ればなれなんて、絶対に嫌です!
だから、絶対に離しません!」

「フフ…うん!」


しばらくして、妃波の目がトロンとしてくる。
「姉様?」
「聖守、眠たくなってきた……」

「いいですよ?
ゆっくり、休んでくださいね!」
頭を撫でて、微笑んだ。

「聖守…おやす、み…なさ……」
次第に、スースーと寝息が聞こえてくる。

聖守は“おやすみなさい、姉様…!”と言って、額にキスをした。
そして妃波の身体を丁寧に拭きあげ、キャミワンピを着せた。

聖守はシャワーを浴び、スウェットに着替えた。

バルコニーに出て、煙草を吸う。
「お腹空いたな…」

帰ってすぐに抱き合った為、夕食は何も食べていない。
何か食べようと思い立ち、キッチンへ向かった。

うどんを作り、ノートパソコンで仕事をしながら食べる。
ふと、先程の妃波が頭を浮かぶ。

「フッ…」
思わず、笑みが出た。

“聖守に、気持ち良くなってもらいたい”

「ほんっと……“あれは”ダメだろ……」
あんな無自覚な煽りは、理性をなくす。

聖守は前髪をかきあげ、クシャッと掴む。
「ヤバい…/////思い出したら、またしたくなってきた……(笑)」

聖守は自嘲気味に笑うのだった。
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