ハイスペ・栄枝社長は妻を囲いたい
ある日の平日。

もうすぐ仕事が終わるという時、塚元が話しかけてきた。
「社長」
「ん?」

「今日、秘書課のみんなで飲み会があるんですが、社長も一緒にどうですか?」
「妻も連れていっていいなら行くよ!」

「もちろん!」
「ん。わかった。何処に行けばいいの?」

「◯◯っていう居酒屋さんです。
駅近くなので、わかりやすいかと……!」
「あー!最近出来た所か!」

「はい、18時半集合でいいですか?」
「わかった」


そして妃波を迎えに行き、居酒屋へ向かう。
「━━━━━秘書課の方達、久しぶりに会うなぁ!」
「そうですね。
忘年会で会ったきりですもんね!」

「新入社員の方は、どんな方?」
「え?どうって言われてもなぁ」
「やっぱり、綺麗?」
「………」
「聖守の秘書さん達だもん。
きっと、優秀なんだろうなぁー」

「姉様」
「ん?」

「ヤキモチ、妬いてくれてるんですか?」

「え?あ…////べ、別に!/////」
「フフ…」
顔を真っ赤にする妃波を見て、嬉しそうに見つめる。
「あー!笑うなんて、酷いよ!」

「だって、姉様可愛いんですもん!
心配しなくても、僕は姉様しか見てませんよ!」

「うん/////」


居酒屋に着き、中に入る。
既に社員達は来ていて、個室に案内された。

「社長!お疲れ様です!」
「奥さんも、お疲れ様です!」

「うん。みんなも、ご苦労様!」
「こんばんは!いつも、すみません私まで……」

「いいえ~
どうぞ?社長と奥さんは、そこです!」
「社長達は、何を飲みますか?」

「僕は、ハイボール。
姉様は?
巨峰ハイでいいですか?」
「うん」

「じゃあ…巨峰ハイで!」

「姉様…?
…………って、何ですか?」
塚元が、不思議そうに聖守を見る。

「ん?」
「姉弟?なわけないですよね?」

「幼馴染みで、小さい頃から一緒だったから。
呼び方、昔のまんまなんだよ」
「そうなんだぁー」
そう言って、聖守にさりげなくくっつく塚元。

“明らかに”聖守を狙っていた。


「━━━━━で、◯◯専務。社長に言い負かされていて思わず笑っちゃった!」
「社長には、勝てないのに(笑)」
「だよね~」

先程から、会社内の話ばかりしている。
妃波にはわからない話ばかりだが、控え目な妃波からすればそれでも楽しい。
質問責めや注目を浴びる事は、苦手だからだ。

ずっと微笑み、話を聞いていた。

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