夫の真実 妻の秘密
夕食時、春馬が言った。
「明日は会社の飲み会だから、晩御飯はいらないよ」
――来たか、と思いながらも冷静に「わかったわ」と絵美子は返事した。
その夜、先にベッドに入った春馬が完全に眠りに落ちたことを確認すると、絵美子はそっと布団をめくり、息を潜めて春馬のパジャマをゆっくりとまくり上げた。
そして起こさないように、慎重を期して事に及んだ。
翌朝、絵美子は朝食の準備をしながら、まだかまだか、とドキドキしながら春馬を待った。
スーツ姿でダイニングテーブルに着いた春馬は、着替えをしながら寄ってきた娘の美香と話しながら、普段と変わらぬ様子でコーヒーを啜り、トーストを頬張っていた。
向かいの席に座った絵美子は、逸る気持ちを悟られないように装うので必死だった。
出勤時刻になり、いつものように絵美子は玄関で春馬を見送った。
春馬はどんな顔をして帰宅するのだろうか。
浮気相手の前でワイシャツを脱いだ時の春馬を想像すると……。
帰宅して自分と視線を合わせた時の春馬の表情を想像すると……。
絵美子はドキドキが止まらなかった。
ぱっと思い付いたイタズラだった。
春馬の乳輪を鼻に見立てて、アン◯ンマンとバイ◯ンマンの絵を描いたのだ。
「明日は会社の飲み会だから、晩御飯はいらないよ」
――来たか、と思いながらも冷静に「わかったわ」と絵美子は返事した。
その夜、先にベッドに入った春馬が完全に眠りに落ちたことを確認すると、絵美子はそっと布団をめくり、息を潜めて春馬のパジャマをゆっくりとまくり上げた。
そして起こさないように、慎重を期して事に及んだ。
翌朝、絵美子は朝食の準備をしながら、まだかまだか、とドキドキしながら春馬を待った。
スーツ姿でダイニングテーブルに着いた春馬は、着替えをしながら寄ってきた娘の美香と話しながら、普段と変わらぬ様子でコーヒーを啜り、トーストを頬張っていた。
向かいの席に座った絵美子は、逸る気持ちを悟られないように装うので必死だった。
出勤時刻になり、いつものように絵美子は玄関で春馬を見送った。
春馬はどんな顔をして帰宅するのだろうか。
浮気相手の前でワイシャツを脱いだ時の春馬を想像すると……。
帰宅して自分と視線を合わせた時の春馬の表情を想像すると……。
絵美子はドキドキが止まらなかった。
ぱっと思い付いたイタズラだった。
春馬の乳輪を鼻に見立てて、アン◯ンマンとバイ◯ンマンの絵を描いたのだ。