切なさが加速する前に
♪ 願い雪

『ねぇ、こっちの夏は、じめじめして暑いのだろうなぁ。私さクーラーなんてない北国で育ったから暑さに弱いんだ。ここへ来る前は北陸、そんなに暑くない町にいたから・・・友達がここへおいでよと言ってくれた時も迷ってね』
 i(アイ)は別れの日を匂わせた。それでも資格を取りたいというようにi(アイ)の瞳には意思があった。
 i(アイ)は彼を信じようとしていた。依存してもいい、そう感じさせるものを持った男だと思った。
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