シュリ王子は連れ帰りたい
「俺、今日誕生日じゃん?
お祝いで、ガバガバ酒飲んじゃって……
ノリで思ってもないことを
言っちゃっただけで……」
「嘘つき!」
「ほんとだって。
俺たち、約束したろ?
いつか結婚して
ずっと一緒にいようって」
柊真君は、どんな神経をしてるの?
こんな時に
蜂蜜トロトロの甘々声で、囁くなんて。
さっきまで
私以外の女性とキスしてたでしょ?
その唇を
私の唇に押し当てようとしないで!
迫ってきた、柊真君の顔。
「触らないで!」
柊真君の胸を、両手で押した私は
泣きながら拒絶する。