シュリ王子は連れ帰りたい
もう大嫌い。
柊真君なんて、一生、瞳に映したくない!
「柊真くんの一番望んでいるものを
プレゼントしてあげる」
死んだような目で、私は不気味に微笑んだ。
誕生日だからね。
これが柊真君の、願いなんでしょ?
私は急いで靴を履く。
「まさか理亜……
ゾンビに食べられに行く気じゃ……」
絶望感で震える柊真君なんて
もうなんとも思わない。
「柊真くん、お誕生日おめでとう。
じゃぁね、バイバイ」
私は柊真君に、合鍵を投げつけると
玄関から外に飛び出した。