シュリ王子は連れ帰りたい
私はソファに座ったまま
隣に座るシュリ君の手に
自分の手を重ねた。
「後悔なんてしてないよ。
シュリ君の星の人たちが
みんな優しくて
地球人の私を受け入れてくれて
今、すっごく幸せなんだ」
お城に住む人たちだけじゃない。
シュリ君の星に住むみんなが
私がお城の外に一歩出ると
笑顔で駆け寄ってきてくれる。
友好的で、優しい人達ばっかり。
「俺、思うんだ。
いつかみんなが
仲良くなれたらいいなって」
「みんなって?」
「俺の星と、理亜の星の人たち。
お互いの存在を知って
お互いの違いを認め合って
仲良く暮らせたら
最高だろうなぁってね」
「そうだね」
シュリ君の壮大な夢物語に
私は笑顔で微笑んだ。
地球人と宇宙人。
仲良くなれる日は来るのかな?
簡単にはいかなそう。
住む世界が違えば、常識だって違うしね。
でも、弱音を吐いてちゃダメだ。
それの夢を実現できるのは
シュリ君と私しか、いないんだから。