シュリ王子は連れ帰りたい
「理亜、どこ行ってたんだよ!」
ギターバックを背負った柊真君が
鬼気迫る勢いで
両腕で私の腕をつかんできた。
「心配したじゃねぇか!
理亜がマジで……
ゾンビに食べられたのかと思って……
俺……」
私の腕を握ったまま
地面にしゃがみこんでいる。
「理亜が俺の誕生日に
仕事なんて入れるから……
俺、寂しくて……酒飲んで……
気づいたら女と一緒にいて……
ゴメン……マジでゴメンな……」
心から反省したように
柊真君が、必死に謝ってくる。
初めてだよ。
いつも上から目線の柊真君が
うなだれながら
私に頭を下げるなんて……