シュリ王子は連れ帰りたい


そういうことか。



柊真君の心の中に

私への愛は一ミリもない。



私はただの家政婦で

生活費を稼ぐATMなんだ。




「はぁぁぁ~」


絶望のため息が、私の口から洩れる。



私はお腹に空気をため込むと

地面にしゃがみこむ柊真君に

きつい言葉を浴びせた。



「私はもう
 柊真君のことは好きじゃないよ。

 他に大好きな人ができたの。

 だからもう、私には関わらないで」



「まさかオマエ……

 俺を裏切って
 浮気してるんじゃないだろな?」



えっ?



何その発言。

浮気してたのは、そっちでしょ?


しかもその女性と一緒にいたいから

私がゾンビに食べられればいいって

言ったくせに!

< 97 / 114 >

この作品をシェア

pagetop