友達婚~5年もあいつに片想い~
会社に戻った私を待ってくれていたのは、あずと大樹だった。

「梨衣!またあの武蔵って男に、拉致られたって本当か?」

「うん。」

でもニコニコ笑っている私に、大樹は不思議がっている。

「これ、結婚のお祝いに貰った。」

武蔵に貰った写真立てを大樹にも見せた。

「結婚のお祝い?おいおい、呪いがかかってるんじゃないだろうなぁ。」

「ぷっ!」

大樹の言葉に、お腹が痛くなる程笑った。

「あーあ。」

大樹は会社の入り口だというのに、私を抱きしめてくれた。

「やっぱり、梨衣の初彼氏、俺がなりたかった。」

「もう、またその話?」

「俺しか知らない梨衣が欲しいよ。」

ぎゅっと抱きしめる腕の強さが、大樹の愛を教えてくれた。
< 100 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop