友達婚~5年もあいつに片想い~
お義母さんは、美味しそうに食べ始めた。

「うん。ここの麻婆豆腐、美味しいわね。」

「ははは。」

まさか麻婆豆腐の材料を買ってきたのに作らなくて、代わりにお見せで注文して食べるとは思わなかったわ。

「これからよろしくね、梨衣さん。」

「こちらこそ、お義母さん。」

頬を引きつりながら、突然やってきた嵐に、身を屈めるのが精いっぱいだった。


翌朝。私はお味噌汁のいい香りで、目が覚めた。

「あれ?誰か、お味噌汁作ってる?」

「ああ、お袋か?」

その一言で私はガバッとベッドから飛び起きた。

寝室を出て見ると、いる。

キッチンにお義母さんの姿がある。

「お義母さん、おはようございます。」

「おはよう、梨衣さん。」

ふと見ると、そこには完璧な和食の朝ご飯が、用意されていた。

「さあさあ、食べてちょうだい。大樹!大樹も起きなさい!」
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