友達婚~5年もあいつに片想い~
そう言ってお義母さんは、無事自分の食器を洗った。

しかも丁寧!

雑な私とは、比べられない。

「さてと。行きますかね。」

いつの間にか用意したバッグを持って、お義母さんはスタスタと玄関へ行く。

「母さん、やっぱり一人じゃ危ないよ。」

「危なくないわよ。夜中じゃあるまいし。まだ午前中じゃない。」

大樹の心配もスパッと断わり、靴を履く。

「でもね。大樹がそんな心配するんだったら、梨衣さん。あなたに付いて来て貰えるかしら。」

目が点になった。

「私?」

「うん、私。」

「はい。」

大樹と確認し、私は髪を手櫛で直し、靴を履いた。

「お義母さん、バッグ持ちましょうか。」

「じゃあ、お願い。」

てっきり断られると思ったら、そこは甘えるんだ。
< 112 / 155 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop