友達婚~5年もあいつに片想い~
「じゃあね、大樹。また。」

「気を付けて帰って、母さん。」

「じゃあ、行ってきます。」

「梨衣、気を付けて。」

お義母さんのバッグを持ちながら、私達はマンションの外に出た。

「いい風が吹いているわね。」

「そうですね。」

「私はね、この町が好きよ。大樹が住んでるからじゃないの。この街並みが好きなのよ。」

「へえ……」

これは、相当この町に来てるな。

今からも『家を出てきたわ。』なんて言って、ふらっと家に来そう。

「梨衣さんの実家は、どこなの?」

「ああ、実家は県南の方です。田舎でして。」

「知っていますよ。南の方もいいところが、多いわね。」

そうなんだよなぁ。

お義母さん、こうしているといい人なんだよなぁ。

朝起きて、朝食が用意されている時は、びっくりしたけれど。
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