友達婚~5年もあいつに片想い~
「でも大樹がいたから、ここまでやってこれた。夫婦を繋ぎ止めるのは、子供なのよ。だからね、梨衣さん。」

「はい。」

「もし、子供が欲しいって思うなら、産まなきゃダメよ。大樹の為にも、自分の為にも。」

もう少しでウルッときそうになった。

「はい。分かりました。」

「そう。ならいいわ。駅までもう少しだから、帰っていいわよ。」

「えっ?いや、駅までお見送りしますよ。」

「梨衣さんまで年寄り扱いは、止めてちょうだい。一人で駅くらい行けますから。」

そう言うとお義母さんは、私からバッグを受け取った。

「じゃあね、梨衣さん。たまには大樹を連れて、家に遊びに来て。」

「はい。」

手を振って颯爽と歩いて行くお義母さんは、カッコよかった。
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