友達婚~5年もあいつに片想い~

笑顔いっぱいの家庭

「えっ?何て言った?」

「子供は、一生いらない。そう言った。」

私はふらっと、大樹に寄り添った。

「どうして?何で子供はいらないの?」

「仕方ないだろう。いらないのは、いらないんだから。」

大樹はそう言って、寝室に籠ってしまった。

こうなると、自分から出てくるのを待つしかない。


私はソファーで、軽くため息をついた。

結婚すれば子供はいつかできると思っていた。

なのに、大樹が子供を欲しくないって。

そんなの、聞いてないよ。


ソファーの上に、ゴロリと横になって、部屋の灯りをぼーっと見ていた。

「理由は何?子供いらないって、余程の理由でしょぉぉぉ。」

足をばたつかせ、やり場のない思いに、困り果てていた。

そうだ。

子供が家庭にいるって、まだ想像できないだけよ。
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