友達婚~5年もあいつに片想い~
「保育園?」

「こんな近くにあったなんて、知らなかったね。」

わざと言った事、バレたかな。

「家の近くに保育園があるって、便利じゃない?将来子供ができたら、預けやすいし。」

「俺は、子供はいらないって、言っただろう。」

大樹はそのまま、来た道を戻ろうとした。

「待って。」

咄嗟に大樹の腕を掴んだ。

「少し見ていくのも、いいんじゃない?」

「ええっ?」

大樹は顔を歪ませた。

「勘弁してくれよ。」

「いいじゃない、いいじゃない。」

私は大樹の腕を引っ張って、保育園のフェンスの側に寄った。

今日は土曜日で、預かっている子供は少ないけれど、何人か外で遊んでいる。

「男の子と女の子、仲良く遊んでいるんだね。」

私が笑顔になりながら、中を覗いていると、園児の一人が保育士の人に駆け寄った。

「先生。あの人達、こっちを見ているよ。」
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