友達婚~5年もあいつに片想い~
「えっ?」

園児と保育士さんが、しかめ面してこっちを見ている。

「怪しまれてるじゃん、俺達。」

「堂々としていればいいのよ。ほら、笑顔。」

大樹も一緒に、笑顔になってくれたけれど、それが反って、保育士さんを怖がらせたみたい。

「あの……ウチの園に何かご用ですか?」

「ああ……」

ここは噓も方便よね。

「実は今度、ウチの子供が保育園に入る事になりまして、見学に。」

「お子さん?」

保育士さんは、私達の周りを見ている。

「ほほほ。まだ歩けないので、家に置いてきているんです。」

「そうでしたか。ただ、ウチの保育園。そういう見学とかしておりませんでして。」

「ああ……そうなんですね。」

これじゃあ、子供を見せる事もできないじゃないの。
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