友達婚~5年もあいつに片想い~
「私の家、一家離散しているのよ。」

「えっ……」

そして、私の家に着いた。

「着替えてくる。ちょっと待っててね。」

「ああ……」


急いで部屋に戻り、別な服に着替えた。

その時、母親からの手紙が、目に入った。

お父さんが死んで、直ぐに他の男と結婚して、私を捨てた母親。

たまにこうして手紙を貰うけれど、一度も返事を書いた事はない。

産んでくれた事には、感謝している。

でも、祖母の家で育った私にとって、お母さんと呼べるのは、祖母一人だ。

その祖母も、去年他界した。

もう”お母さん”と呼べる人はおらず、特に手紙をくれる母親に、結婚の報告をしなくてもいい。

ただ大樹の親に挨拶しなくてもいいって言うのは、ちょっと衝撃的だったな。
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