友達婚~5年もあいつに片想い~
「何よ、言いなさい。」

「実は……」

色ボケした私は、留まる事を知らなかった。

「プロポーズされたのよ!」

「えっ?誰に?」

あずは、廊下のキョロキョロ見渡すと、私を連れて非常階段に飛んで行った。

「ここなら、聞かれる心配もないから、大丈夫ね。」

あずは、はぁはぁと息切れしている。

「で?誰?」

「うーんとね。」

「もったいぶらずに言いなさいよ。」

「あずも知ってる人。」

「だから、言いなさいって。」

「石黒大樹。」

あずの顔が、苦痛に歪んだ。

「石黒って、あの石黒?」

「そう。あの石黒。」

ふらっと後ろに倒れそうになったあず。

「いい?梨衣。石黒はね……」

「うん。」

何か重大な秘密でも、出てくるのでしょうか。

「あなたと付き合っていない!」
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