友達婚~5年もあいつに片想い~
ズバッと言ったつもりのあず。

「知ってるよ、そんな事。」

「だったら、そのプロポーズ断ったんでしょうね。」

「受けたよ。」

「ウソッ!」

あずに衝撃が走る。

「あんた、本当にいいの?」

「うん。石黒とはずっと友達だったし。知らない仲じゃないし。何より……5年も片想いだったんだし。」

そう。

私は大樹の事を、好きなんだ。

だから、プロポーズされた時、心の底から嬉しかった。

「まあ、梨衣がいいんだったら、いいけれど。」

「うん。ありがとう、あず。」

そして私達は、非常階段から出た。

「それにしても、友達婚か。」

「それに加えて、交際3日婚だよ。」

「交際3日婚?何それ。」

「付き合ったのが昨日で、今週末には入籍するからね。」

「ははは。いいね、それ。」
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