友達婚~5年もあいつに片想い~
区役所までの道は、大通りをそのまま真っすぐ行くだけだ。

「こうしてさ、歩いているとその人のペースって、分かるだろう?」

「えっ……まあ……」

「俺は、梨衣のペースに合わせて、一緒に歩いていきたい。」

「大樹……」

胸の奥がジーンとする。

それって、特別な意味だって思っていいの?

「私も。大樹と同じペースで、歩いていきたい。」

「うん。ありがとう。」

大樹の笑顔を見ていると、心が落ち着く。

私はそっと、大樹の手を握った。

「こうして、二人三脚でいつまでも、暮らしていきたいね。」

「当たり前だろ。」

言った最中から、ドキドキしている。

チラッと大樹を見ると、優しく微笑んでいる。

ねえ、大樹。

まだ付き合って4日目で、まだ結婚もしていない私達だけれど。
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