友達婚~5年もあいつに片想い~
「ごめんね、泣いたりして。」

私が涙を拭くと、大樹は私を抱き寄せてくれた。

「梨衣。俺達、即席でできた関係だけど、本当の夫婦になりたいって気持ちはあるから。」

「大樹……」

「悲しい時も嬉しい時も、俺に言って。梨衣はもう俺の奥さんなんだから。」

私は大樹を、ぎゅーっと抱き寄せた。

「梨衣?」

「嬉しい。そんな事言ってくれるなんて。」

本当は交際3日で結婚なんて、上手くやっていけるか、分からなかった。

好きなのは、私だけ。

大樹はただ、あの5年前の約束を覚えていただけなのだと。

「大樹も、悲しい事があったら、私に教えてね。大樹だって、私の旦那さんなんだから。」

「うん。そうだね。」

大樹はケラケラと笑っている。
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