友達婚~5年もあいつに片想い~
「うん。お昼食べる時は、ファーストフードで済ませるんだって。」

「ったく、あいつは!結婚した自覚ないんじゃない?」

「そうかもね。」

そして私は、あずにお弁当を渡した。

「だからこれ、あずが食べて。」

するとあずは、私にスッとお弁当を戻した。

「もちろん、嬉しいよ。私だって、お弁当食べたい。でも奥さんが旦那さんに作ったお弁当を食べる程、悪趣味じゃない。」

「悪趣味って……」

行き場のないお弁当が、デスクの上にちょこんと乗っている。

「後でもう一度、石黒にお弁当渡してきなよ。そうだな。残業の時に食べてって。」

「はあ?残業?するかなんて、まだ分かんないし。」

「そこは任せて。」

あずは、親指をグッと立てた。

何をする気だ、あずは。
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