友達婚~5年もあいつに片想い~
それなのに、次から次へとお弁当を食べる大樹が、愛おしく思えた。

「もしかして……昨日の夜……なにもしなかったのも?」

「なに?」

大樹の顔が近くに来る。

私はコホンと、軽く咳ばらいをした。

「えっと……セックスしなかったのって……」

「ああ!あれは……」

お弁当の蓋を閉めながら、大樹はニヤついていた。

もう、食べ終わったのか。早食いの奴め。

「引っ越しで梨衣が疲れていると思ってさ。」

「また気を遣ったの?」

軽くため息をつく。

そこは、気を遣うところじゃないって。

「何?したかったの?」

大樹からそう言われて、顔から火が出たように熱かった。

「ねえ、奧さん。正直に話してごらん。」

「そりゃあねえ。初めての……夜?だったし。」

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