友達婚~5年もあいつに片想い~
家に帰って来た私は、既に帰宅していた大樹に、昼間の件を話そうとした。

「大樹。緊急会議を開きたいんだけど。」

「なに?緊急会議!?」

大事だと思ったのか、大樹はソファーの前に、正座している。

釣られて私も、大樹の前に正座した。

「あのね。私達の結婚の事なんだけど。」

「うん。」

「課長に報告しなくていいのかなって。」

辺りがシーンとなった。

「報告……か。」

大樹も悩んでいる。

私も悩んでいる。

「やはり、しなければならないか。」

「どうなんだろう。」

私と大樹は、お互い首を傾けた。

「正直、まだ結婚したという実感が湧かないんだよな。」

「そうそう。それ、私も思った。」

「とりあえず、婚約したという話で、まとめるか。」

「あっ、そう。」

どちらにしても、課長に報告するのね。

あの課長のしたり顔が、一瞬目の前を横切った。
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