友達婚~5年もあいつに片想い~
オフィスに帰って来ると、あずは一生懸命仕事をしていた。

きっと、好きな大樹からの依頼だからだよね。

胸が痛くなって、手で押さえた。

「なに?どうしたの?梨衣。」

それに気づいたあずは、私のところへ来てくれた。

「隣のオフィスで何か言われた?」

「ううん。」

「だって、梨衣の大きな声で“えええー!”って聞こえたよ?」

そんな声も、ここに届くのか。

「あのさ、あず。」

「うん。」

まさかここで、大樹の事好き?とは聞けない。

「今日の夜、あいてる?」

「ああ、飲みに行こうって?」

「うん。」

「いいね、行こう行こう。」

あずは久しぶりの私との飲み会に、足取りが軽くなっている。

ああ、今日の飲み会が、修羅場にならなきゃいいな。

私は心の中で願った。

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