友達婚~5年もあいつに片想い~
「うん……」

素直に返事ができたのは、好きな人が私の誕生日を覚えてくれていたから。

仕事が終わるまでの1時間。

私はドキドキが、止まらなかった。


6時になって、私はちらっと石黒を見た。

まだ仕事をしている。

これは少し待っていた方がいいのかな。

その時だった。


【ごめん。先に外に出てて。】


石黒からLineが来た。

スマホをカバンの中に入れ、私はオフィスを出た。

まだどこに行くのかも分からないのに、外で待ってろって言われてもね。

でも大人しく外で待ってる私は、一応健気な女に入るのかな。


「ごめん。待たせた。」

石黒が来たのは、私が外に出て3分後だった。

「大丈夫。待ってないよ。」

そう言うと石黒は少し微笑んだ。

「店、ちょっと遠いけど、美味いイタリアンを予約したんだ。」
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